今日から始めるフェムテック フィットネストレーナー・Yuinaさんと考える「女性」と「カラダ」のコト

最近話題のフェムテック。なんとなく聞いたことはあるけれど、「身近なフェムテック」とは具体的にどんなことなのか、聞かれると答えられない人も多いはず。今回は自身のSNSなどでジェンダー問題や社会問題について発信するYuinaさんと共にフェムテックの今、女性とカラダについてを考えていきます。

ジェンダー問題や社会問題を
身近におしゃれに

– フィットネストレーナーとして活動する傍ら、アクティビストとしてジェンダー問題や社会問題について発信を続けるYuinaさん。2021年には一般社団法人アテナを設立し、2022年11月に1周年を迎えました。活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

「インスタグラムでの発信を始めたのは、ロンドンの大学院でジェンダー学の修士号をとった頃。日本の女性たちに、もっとジェンダー問題へ興味を持ってもらったり、元々興味のある方たちが情報収集できる場所を作りたいと思ったのがきっかけですね」

当時はジェンダー問題などを発信をするアカウントがほとんどなかった時代。そんな中、Yuinaさんは、さまざまなこだわりを持って発信し続けてきました。

「日本って、政治や社会問題について『難しいから分からない』と拒否してしまう方が多いんじゃないかと感じていて。そんな方たちにも見てもらえるように、専門用語や難しい単語は使わないように心がけています。また、おしゃれな画像を選ぶことで、TumblrやPinterestを見るような感覚で見てくれたらいいなというのは、発信を始めた当時からのこだわりですね」


カラダの変化に合わせて
アジャストしていく

– 日々自身のカラダと向き合いアクティブな生活を送るYuinaさんですが、25歳をすぎた頃から少しずつ「カラダの変化」を感じるようになってきたと話します。

「溜まってしまった疲労をリカバリーするのに時間がかかるようになってきました。以前は週末1日休めばリカバリーできたのですが、25歳を超えた頃からそうではなくなってきて……。だからこそ1日の中でしっかり休む時間を作るようになりました」

そんな変化も「年齢を重ねていくことは、人間として当たり前のこと」とポジティブに受け止めるYuinaさん。

「日本って、老化に対してすごくネガティブなイメージが強いけれど、その必要はないと思っています。新しい自分を理解してアジャスト(調整)していくことが大切ですよね」

カラダの変化に合わせて、フィットネスとの向き合い方にも変化が。

「セルフケアとしてのフィットネスについて考えるようになりました。たとえば、疲れてしまった日のトレーニングは無理をしないこと。私自身、ランニングやハード系のトレーニングが大好きなのですが、その日の気分や体調によっては、そのトレーニング方法が合わないときがあるんですよね。フィットネス=ハードなものというイメージが強いけれど、必ずしもそうである必要もないし、ヨガやピラティス、簡単なストレッチも、すごく大切なフィットネスの時間だと思えるようになりました」

 

オフの時間を大切に
「香り」で切り替えを

– フリーランサーとして多忙な生活を送るYuinaさん。つい曖昧になりがちな“オンオフ”の切り替えはどのように行っているのでしょうか?

「フリーランスで好きなことを仕事にしているからこそ、意識的にオフの時間を作るようにしています。たとえば、休日に友人やパートナーと過ごすときには、仕事の連絡をしないようにするのもマイルールのひとつ。もちろん緊急の連絡は返しますが、それ以外の場合がほとんどなので。誰かといるときは、その人との時間に集中することを大切にしています」

また、毎日のルーティンとして「香り」を使ったスイッチの切り替えも。

「最近はお香やキャンドルにハマっています。夜のリラックスタイムや入眠にはもちろん、朝起きてすぐにお香やキャンドルを焚くのもおすすめ。私の場合、朝5時に起きて、すぐに仕事を始めるのですが、お香やキャンドルを焚くと仕事気分に切り替えやすくなります」

 

フェムテックは
女性特有の悩みについて考えるきっかけに

女性特有のカラダの悩みを解決する、最新のテクノロジーやプロダクト「フェムテック」。日本でも少しずつ市場を広げていますが、日本と海外では認知度や普及にまだまだ大きな差があるとYuinaさんは話します。

「たとえば、分かりやすい例でいうと『プレジャーアイテム』なんかは、日本ではまだまだ会話に出しにくい風潮がありますよね。でも、海外では女の子同士でプレゼントとして贈りあったり、一緒に買いに行ったりするのが当たり前。日本では、女性がプレジャーアイテムを使うことは恥ずかしいと考える人がまだまだ多いのではないでしょうか。でも、少しずつ生理の話題がしやすくなったり、メディアでフェムテックの話題が取り上げられるようになってきたのはすごくいい進歩だなと思います」

海外との差はまだまだ大きいですが、近年ではこんな傾向も。

「生理痛や更年期など女性特有の悩みについて、“女性だからあって仕方ないもの”、“我慢しなくちゃいけないもの”という風潮があったのが、フェムテックが注目されることによって“仕方ないもので終わらせる必要はないんだよ”、“改善してもいいものなんだよ”という認識が社会に広まりつつあるのは、すごくいいことですよね。女性ってこれだけ色々な問題や悩みを抱えていて、サポートが必要なんだよっていうことを知ってもらうきっかけになるのではないでしょうか」

 

気になるけれど踏み出せない女性へ
おすすめフェムテック

– フェムテックについて気になるけれど踏み出せない、そんな女性も多いはず。そんな方々に向けて、Yuinaさんおすすめのフェムテックアイテムを伺いました。

「フェムテック初心者におすすめなのは『吸水ショーツ』と『デリケートゾーンケアアイテム』。

吸水ショーツはとにかく快適な上、環境にも優しい。最初は不安かもしれませんが、一度使えばきっと手放せなくなるはず。

『デリケートゾーンケアアイテム』については、必要性が分かりつつも踏み出せない人が多いんじゃないかなと思っています。だって、髪やカラダは丁寧にケアするのに、より繊細であるデリケートゾーンのケアをしないのってよく考えたら不思議ですよね。通常のボディクリームやボディソープに比べると少し高価かもしれないですが、スキンケアに費やしている金額を考えたら、デリケートゾーンにも投資すべきだと思います(笑)!」

これまでさまざまなデリケートゾーンケアアイテムを使用してきたYuinaさんが、FIMEKAの「ボタニカルインティメイトウォッシュ」を体験。

「きめ細やかな泡で出てくるのがすごくお気に入りです。これまで、いくつかのブランドのデリケートゾーン専用ソープを使ったことがありますが、泡で出てくるタイプははじめて。顔も泡で洗う派なので、デリケートゾーンも泡で洗えるのは嬉しいですね。香りは、さりげなく香るのが好みです。香りが強すぎると、洗っているというより香りで埋めている感じがしてしまって(笑)。特にデリケートゾーンケアとなると、なるべく自然で優しいものを使いたいですよね」

 

クルエルティフリーで
自然由来のアイテムを

Yuinaさんには、日用品や化粧品を選ぶ上で、こんなこだわりも。

「クルエルティフリー(動物実験をしていない)製品を選ぶようにしています。あと、最近になって意識し始めたのは自然由来の原料を使っているかどうか。デリケートゾーンケアアイテムは、特に原材料を気にして選んでいます。FIMEKAのソープはクルエルティフリーかつ植物由来成分を95%配合とのことなので、安心して使えました」

そんなYuinaさんの考え方は、自身の経験からきているそう。

「元々敏感肌だったのですが、年齢を重ねるにつれてより敏感肌が気になるようになってきて。前までは雑誌やメディアの情報を見て、色々な化粧品を試してみたりしていたのですが、色々調べたり経験した結果、そもそもそんなに色々なものを肌に塗りたくる必要はないんだなというところに行き着いたんです。今は、なるべくシンプルに、肌とカラダに優しいものを使うことを心がけています」

 

ジェンダー視点で
自身の経験を発信していきたい

– 日々フィットネスやSNSなどでの発信を通して、心やカラダの健康に寄り添う活動を続けるYuinaさん。今後のキャリアについてはどのように考えているのでしょうか。

「2022年11月でアテナが1周年を迎えたので、アクティビストとして、まだまだ色々なチャレンジをしていきたいと思っています。また、フェムテックやフィットネス、メンタルヘルスを女性のエンパワーメントに絡めた新しい企画を現在準備中なので、そちらも楽しみにしていただければ嬉しいです」

Yuinaさん個人の発信についても新たな目標が。

「今まではあまりパーソナルな部分をSNSで発信してこなかったのですが、これからはひとりの女性起業家として、そういった部分も発信していきたいなと思っています。私の場合、自分の恋愛や結婚、出産など全てを“ジェンダー視点”で見ているので、そこから伝えられることはたくさんあるんじゃないかなって。もっと赤裸々に隠さず伝えていける発信者になっていきたいですね」

 

フィットネストレーナー / アクティビスト
Yuina

アメリカで高校時代を過ごし、フィットネスに出会う。現在は、エナジーフィットの専属トレーナー、NIKEオフィシャルトレーナーとして活躍するほか、アクティビストとしてジェンダー問題や社会問題などについて発信を行う。2021年には、一般社団法人 ATHENA (アテナ)を立ち上げ、代表理事を務める。

https://www.instagram.com/yuinayuye/