美容のコト、カラダのコト パーソナルスタイリスト・大日方久美子さんと考える、30・40代女性のこれから

30・40代にかけてカラダに変化が訪れ、ひとごとではないと感じている方も多いはず。美容のコトからストレスケア、フェムテックまで、聞きたいけど聞けなかった「これから」のお悩みを、パーソナルスタイリストとして活躍する大日方久美子さんと一緒に考えます。

自分のカラダを理解していれば
年齢による不調も怖くない

- アパレル企業での勤務を経て、2013年にパーソナルスタイリストとして独立。日々多忙な生活を送る大日方さんですが、30・40代にかけてどのような「カラダの変化」を感じ、どう向き合っているのでしょうか。

「今年で46歳になるのですが、カラダはちゃんとツライです(笑)。でも自分にとってのストレスケアや、不調があった際の対処法をきちんと知っているので、たとえ不調があっても全然大丈夫」

そんな大日方さんが不調を感じたときに取り入れているのは『CBD』や『ジェモセラピー(植物の新芽や蕾のエキスを用いた植物療法)』など、自然由来のアイテムたち。

「これまで、過度なストレスで自律神経が乱れてしまったり、ホットフラッシュの症状に悩まされたり、生理鬱の症状が出たこともありました。そんなときに、CBDやジェモセラピーなどを取り入れてみたら、スーッとよくなったんです。それ以来、不調が起きそうなときなど、取り入れるようにしています」

 

ブームになる前から
長年愛用している「CBD」

大日方さんも愛用している「CBD」は、リラックス効果やストレスの軽減、睡眠導入などで、ここ数年、日本でも注目され始めました。

「もうかれこれ数年前、ニューヨークに住んでいる友人に教えてもらったのが、CBDとの出会い。なので、私にとってはかなり身近な存在なんです。初めて使ったのは、リキッドタイプでしたが、今ではさまざまなタイプと濃度を使い分けるほど、日常生活に欠かせないアイテム。FIMEKAさんのCBDオイルは割と軽めなので、初心者の方にも使いやすそう!」

日本では浸透し始めたばかりの「CBD」。まだまだ誤解されている部分もありますが「正しい知識があれば、誰もが安全だとわかるはず」と大日方さん。

「薬のようにカラダへの負担がないし、中には子供や動物に使えるものもあったり、気分や症状に合わせて気軽に使えるのがいいですよね」

 

肌荒れに悩んだ結果
大切なのは「腸内環境」

現在からは想像がつきませんが、20代半ばから30代にかけて重度の肌荒れに悩まされていたという大日方さん。当時の経験を経てこそ、今の健康的な自分がいるのだと話します。

「当時は、顔中に100個くらいのニキビがありました。本当に悩んでいて、稼いだお金はほとんど皮膚科へ費やしていたくらい。皮膚科の治療で顔中のニキビを潰されて、表参道の交差点で大号泣したこともありました」

考えただけでも辛い経験ですが、根本的な原因はカラダの中にあったというから驚きです。

「とある皮膚科の先生に出会ったとき、私の顔を見てすぐに『ちょっと血液検査させて』と言われたんです。その結果、痩せすぎで栄養失調になっていたことと、胃にピロリ菌がいることがわかりました」

その後、すぐに紹介状を書いてもらい胃腸科で治療を受けた大日方さん。すると、毎日悩んでいたニキビがピタリとできなくなったそう。

「よく『肌を綺麗にするにはどうしたらいいですか』『おすすめの化粧品はありますか』という質問をいただくのですが、私の経験から言えるのは、まずは内側から整えることが大事。なかでも、腸内環境を整えることがいちばんですね。腸内をいいバランスで保つことができれば、肌も爪も髪の毛も、精神も健康になるんです。今では、“綺麗になりたいなら腸内環境!幸せになりたいなら腸内環境!”とみんなに言っています(笑)」

 

高い美容液を買うより
無添加の食材を

健康なカラダづくりの基礎となるのは「食」。大日方さんも、さまざまなカラダの不調を経て、食生活を大きく見直したそう。

「いちばんの変化は、大好きだったラーメンをやめたこと。今は、過度なストレスを感じたときや、旅行先でのみ食べてOKというルールにしています。たまに食べると、本当に美味しいんですよね……(笑)」

外食や旅行先ではストイックになりすぎず、普段は無添加の食材を使った自炊を心がけている大日方さん。ベースを整えておくことが大事だといいます。

「無添加の食材とかって少し値段が高いけれど、美容液に1万円を使うなら、食材にお金をかけるべきだと私は思っています。外側にいくらお金をかけても、内側がぐちゃぐちゃだったら意味ないですからね」

「もちろん経済力があれば両方やって良いと思うのですが、どちらかを優先するのであれば、絶対に内側から整えることをオススメします」

 

冷えも内側から改善
インナーは良い素材にこだわる

-  30・40代の女性にとって「冷え」は深刻な悩みのひとつ。大日方さんは、“激痩せ”していた30代の頃、特に冷えを感じていたそうです。

「当時はガリガリで、いつも体温が低く、末端冷え症に悩んでいました。でも、今の体重になってからは体温も上がって、ほとんど冷えを感じなくなったんです」

そんな今でも「冷え対策」は必須。

「気付かぬうちに冷えている場合もあるので、腸内環境を整えるのはもちろん、玄米の粉末を飲んだり、意識的に内側からカラダを温めるようにしています」

「よく身につけているのは、シルク素材の下着やインナー。保温性に優れている上、摩擦がなく肌にも優しいのでオススメです。昔は洋服も下着もたくさん持っていたけれど、今は素材や質にこだわって、厳選したものだけを持つようになりました」

 

吸水ショーツは
シーンに合わせて使い分け

女性特有のカラダの悩みを解決する、最新のテクノロジーやプロダクトにも注目。最近メジャーになりつつある「吸水ショーツ」は、シーンによって使い分けるのが大日方さん流。

「色々な種類を持っているので、その日の経血量に合わせて使い分けています。特に量が多い日には、吸水ショーツだけだと不安なので、こまめにかえられるナプキンを使うこともありますね」

特に長時間トイレに行けないシーンでは、吸水ショーツが大活躍。

「大好きなスノーボードへ行くときや、長時間のイベント、夜寝るときなどは、かなり重宝しています」

「最近は、吸水ショーツ以外にもデリケートゾーン専用のボディウォッシュがお気に入り。デリケートゾーンだけでなく全身に使っています(笑)。お値段は普通のボディソープより少し高めですが、そこはケチらずに、心地よさを優先!」

 

愛する犬たちのために
「保護犬活動」にかける想い

- パーソナルスタイリストの仕事だけでなく「保護犬活動」にも精力的に取り組む大日方さん。この先のキャリアについては、どう考えているのでしょうか。

「もちろんパーソナルスタイリストが本職ですが、今いちばんやりたいことといえば、やっぱり保護犬活動ですね。いずれは保護シェルターのようなものを作りたいと思っています」

自宅でも4匹の愛犬と暮らすほか、保護犬の一時預かりなども行う大日方さん。SNSでの発信や譲渡会の開催などをメインに活動していますが、保護犬活動は基本的にボランティア。そんな労働環境も変えていきたいと話します。

「いずれはちゃんと会社にして、社員としてお給料を払えるようにしたいなと思っています。そのためにも、私はいっぱいお金を稼がなきゃなんです」

「活動を頑張っていても、不甲斐ない思いをすることは、まだまだたくさんあります。たとえば、譲渡会に来てくれた方が、条件が合わず引き取れなかったから、その足でペットショップへ行ってしまったことがありました。そのときは、すごく悲しくて涙が出ましたね。もちろんその方は悪くないですし、ペットショップという環境がある限り、ペットショップで売るための子犬を産まされる悲惨な犬たちが絶えない。そういった状況をかえていくために、この先もっともっと頑張らなくてはと、日々思っています」

 

パーソナルスタイリスト・大日方久美子
KUMIKO OBINATA

1976年生まれ。アパレル企業での勤務を経て、2013年にパーソナルスタイリストとして独立。2016年には著書「エレガントから作る大人シンプルスタイル」を発売するほか、TV出演などさまざまな場で活躍する。自身のインスタグラムでは約10万人のフォロワーを持ち、ファッションや愛犬との暮らし、保護犬活動に関する情報などを発信中。
https://www.instagram.com/kumi511976/